情報空間を乗りこなす「抽象度の秘密とAI活用」について②はこちら
5つの抽象度トレーニング

呪い
一番初め、冒頭でも話した通り、ほとんどすべての人は「呪い」にかかっています。
あなたが今、当然のように「正しい」と思っていることは過去の認識とか記憶によって仕掛けられていることが、ほとんどです。
抽象度を上げるとどうなるかというと、抽象度っていうのは「視点を上げる」ってこと、次元が高くなるってこと。
見える視点とか情報の多さとか、下に包摂するものが増えて、上に行くほど臨場感が薄まれば薄まるほど、見渡す世界とか世界観の広さとか選択肢が大きく増えていくことを意味します。
だから、いろんな世の中の物事の「パターン」だったりとか「構造」だったりとか。
もう「数式」だったりとか「図形」だったりとかっていうのが見えるようになり「関係性」がわかるようになり「方程式」が増えていきます。

上からの視点が見渡せるようになると、これ、町全体を神の視点でずっと見てたら「あっちから人が歩いてくるなぁ」「こっちからも人が来てて、今この2人ぶつかりそうだぞ」みたいなことは、もう上からだったら一目瞭然なわけですよね。
でもこれが、地面の視点でいろいろ物事を見ちゃうと。「このまま真っ直ぐ行ったら、ここから実は自転車がすごい勢いでやってくる」っていうのが見えないですよね。
これ、上からだったらすべてが筒抜けの状態なわけです。
何が言いたいかというと。上からの視点を持つことができると他の人が見えてない成功のパターンだったり、方法だったりとか、逆にうまくいかないのを回避するっていうことすらも簡単になったりするんですよ。
☆抽象度をあげて世界をみる、分割したり、区分けするのに役立つ、モノの見方はこちらを参考に(むずかしいけど笑)
世の中で圧倒的に「あの人めちゃくちゃ運がいいなあ」って感じられる人っていうのは。抽象度が高くて、ただそれらが見えているだけの可能性も全然あるんですよ。
それは、そのパターンの中から「それやったらそうなるの決まってるんだから、それやらないよね」みたいなことだったりとかね。
他にも、例えば感情・感覚の話で言うと、もう宇宙から地球見たらこの波なんか見えないじゃないですか。

まあ実はじーっとちゃんとフォーカスして見ていくと波はもちろん見えるんですけど、気にならないですよね。
宇宙から見たら、この地球上にある大地も海も雲も何も別に変わらない全部一緒同じ。ただの物質の塊ですよね。
でもこれがこの海上、海のところまでこう視点を下げてくると何が起きるかっていうと、すごい波がいっぱい見えるんですよ。
日常に山のように大変なことが降ってくるように見えちゃうんですよ。
でもそれはもう俯瞰して上の方から見たら、別にそれ50年後を振り返ってみたら何の問題でもないけどね、みたいなことが分かるのが、この抽象度の高さだったりしますね。はい。
でもう、とにかく人って絶対性を持ってしまうと固くなる。
さっきの抽象度の階層でも「私は絶対にこの茶色のトイプードルのロコちゃんじゃないと嫌だなぁ」ってなってしまうと他にどれだけ可愛くて、どれだけ素晴らしくて、どれだけなんか癒してくれるペットが横にいたって気づかないんですよ。
今までは「マーケティングを極めてお金を稼げば幸せ」と思ってたけど…「ビジネスを成功させることが正しい」と思ったけど…。
「教師から離れて農業をするのが逆に今でいい」と思ったけど…。「高額ビジネスで手元をかけずにコンテンツを売るのがいい」と思ったけど…。
「家族は大切にしなきゃいけない」とか「地球に良いこと、環境に良いことをしなくちゃいけない」とか。
「楽しいこととか好きなことをビジネスにすることがいいんだ」っていうこのいろんな思い込みと呪い。
それって、本当ですか?っていう問いをぜひ自分の頭に投げかけてみてください。
はじゃあ抽象度をアップするためのトレーニング法5つぐらいポンポンっていきます。
抽象度アップ5つのトレーニング
トレーニング①LUB
さあ何があるのか。まず一つ目。何かというと「LUB」エル・ユー・ビー「LUBという魔法」です。
LUBこれは「Least Upper Bound」といって、「最小上限」って言い方をします。
例えば犬猫を束ねる一つの上限というのは哺乳類ですよね。
犬猫を束ねるさらに上の上まで行くと、生物になっちゃうし、もっと上に行くと有機物とか、そういうところになっちゃうんですけど。
例えばいろんな対象を並べ立てます。
具体アイテムを全部テーブル化して「じゃあこの今の事例をカテゴリー表に並べてみて」っていうことをAIにぶち込んだりします。
この序列関係を決めていきます。「似ている順」とか「包含関係」とか「依存関係」を線でつなぐ。
まあこのあとは別にやらなくてもいいんですけど、それぞれの構造を矢印で整理してこれもAIに投げることができます。
「LUBを抽出する」つまり最小の共通項を探す。
それが実用レイヤーで各ペアの最小上位概念をつくってみたいなこともできるんです。
例えば、じゃあそれをAIに打ち込んでみたとしたら「これやったかな?あるかな? 」この内容ですね。
たとえば、「以下の概念リストの最小上位カテゴリーを出して。ウーバーとアマゾンとエアビーの最小上位カテゴリーって何?」みたいな。
で、出てきたのが「デジタル・マルチサイド・プラットフォーム(オンライン市場企業)」
「そうなんだ、はい」ってなって。
で、「なんでここが最小なのか?」っていうその理由づけを、これAIが出してきてるわけですけど。

こういう使い方ができるわけですね。
そして「概念ツリーをLUB視点で三層にまとめて表形式で出して」みたいなことをやると、こんなものを出してくれます。
ざっくり解説します。第一層は「デジタル経済」という緩めのくくり。第2層がLUB、ここで「オンライン上の多面市場取引型プラットフォーム」として、ギュッと絞ると3社が同じ箱に収まります。

第3層は具体企業。こういうことを出してくるこのLUBを具体化する5案。さらに次の広がりこの「グッと具体化」のことをGLBという言い方をします。
さらに次の広がりをLUBも5案出して、あとこれ、パッといくつかバーンとかを出してくれるんですけど「こういう案があります」みたいなね。

はい。こんな投げ込み方をすると、チャットGPTがいろんな答えを出してくれますよって話ですね。
例えばこれが最近、表参道でジェラート屋さんを始めてるんですけど。
ジェラート屋さんの拡張。「じゃあ高級オーガニック野菜ジェラート」っていう言葉と「プラントベースの高級パフェ」
この2つをまとめてLUB、一つ上の抽象概念にまとめたとすると、どういう言葉になる?
って投げてみると、「プレミアム植物由来デザート体験」、体験にまとめちゃうんだね。
で、「ブランド軸を一つにまとめてメニュー開発や広告を共通化する」とか。
そうすると、なんかこのベースで何かコンセプト考えたりとかっていう考え方が生まれるわけですね。
場合によっては、例えばAIコミュニティ。
サービス設計のAIコミュニティのサービス設計で、「生成AIの使い方勉強会」と「起業家ネットワーキング」っていうのを足してLUBを出して。→LUB:「AI×起業でキャリアを加速する実践ギルド」みたいなこと。
こういったアイディアを出してくれたりするわけですね。「イベント」「料金体系」「メンタルプログラムを一体設計する」みたいな、なんかこういうものを出してくれたりします。
例えば、あとベンチャーキャピタル(VC)のシナジー分析として。
「農業IoTスタートアップ」と「再生可能エネルギーの開発」これをくっつけてみてその最小、一つ上の抽象度→LUB:「サステナブル・インフラのデータ駆動プラットフォーム」
その最小、一つ上の抽象度が「サステナブル・インフラのデータ駆動プラットフォーム」そんなのが出てきたんですね。
合同会社プラス共同ファンドのスキームも設計みたいなことも出てきて。よくわからなかったら、これをさらに掘ってみたいとかね。
じゃあ「仏教×量子論」や「縁起と量子もつれ」→LUB:観測によって確定する相対ネットワーク
哲学対談とかこれを書籍企画のコアの骨組みにしてみるのはどうですか、みたいな答えが出てきたりします。
LUBをAIに考えさせるステップとしては、さっきここに貼り付けたみたいに、この3つ。2つでもいいですよ。5つでもいいです。
この「最小上位カテゴリーを出して」って言って、概念ツリーをこれを3層にまとめて表形式で出して、って出して。
このLUBをグッと具体化する案を5つと、広がる案を5つ出してみたいな。
こんな貼り付け方をすると新しいアイデアだったりとか最小上位概念っていうのが出てくる可能性があります。

最小上位概念って、すごく便利な言葉なんですよ。
っていうのが、例えば自分がビジネスするときに、いろんなお客さんがたくさんこう……なんだろう。
ターゲットというかもう自分のペルソナとして、お客さんがいたときにいろんなタイプがいるんだけど。
このいろんなタイプを一人の人にまとめたいんですよ。
その一人の人にまとめたいときに、このLUBがめっちゃ使えるんですけど。
じゃあこの人の情報、全部ぶち込みます。この人のBさんの情報も全部ぶち込みます。
これがマーケティングのターゲティングによく使えたりもします。
アルケミストたちの秘密
はい。ちょっと急に不思議なことを出すんですけど。錬金術師ですね。
これはヘルメス哲学。神秘主義の中の学問の一つが錬金術。
この錬金術ってものから、それこそ物理学だったりとか、そういうものが枝分かれしていく状態になるんですけど。
占星術の中から天文学が生まれたりとか、まあそういうふうに学問ってどんどん枝分かれをして、ものが形作られていくんです。
その物理学とかの大元になってるのは、この錬金術なんですね。
錬金術。なかなかその神秘――このヘルメス哲学の中では、まずベースとして「神とか宇宙にはからくりがある。だからそれを解いていこうよ」っていう観念があるんですよ。
だから実はね、鉛から金ができると思ったんです。
鉛をなんかこう、いろんなものを重ねて、物質をつけたりとかいろんなことをすると金になるんじゃないか。
でもこれって実はね、抽象度が低い状態だと、物理空間のものしか見れないわけですよね。
だって鉛っていう物理から、黄金という物理に変えたいわけです。これは卑しい金属から、貴金属に変えるっていう感覚なんですけど。
これ、抽象度を上げて考えると何が考えられるか。さっきのLUBの考え方を上げていくと、何が考えられるかというと
鉛というのは非金属。つまり汚れがついている状態ですよ。黄金というのは貴金属。つまり完全性を帯びている状態ですよ。

ということは、これ言い方を変えると。
鉛という“物質”から黄金という“物質”に変えるんじゃなくて、鉛という“状態”から黄金という“状態”に変えるんだっていう観念を持つことができると。
あ。これは情報空間の話をしているんだって捉えることができるんですよ。
つまりある人の中から汚れとか、卑しさとか、そういうものを取り除いて、完全性を持てば、その人はこの「鉛という人間」から「黄金のような人間」に変えることができる。
という形、そういう考え方なんですよ。
ある鉛みたいなものに対しても、そこから汚れを取り除いて、綺麗な形に整えていって。
有名なアーティストがそれを彫刻という形に変えていったら、ただの鉛が黄金に変わるよね。
完全性をつけることができれば、黄金に変えることができるよねっていう考え方なんですよ。
これが錬金術の根本です。
物理の話じゃないんですよ、情報空間の話なんです。
錬金術ってのは、実は「抽象度操作」のことを言っていたりもします。
ポイントは、物理が変えられれば世界が変わるということなんです。
カラクリが分かれば、鉛と黄金も行ったり来たりできる。
すべては一つのものからできているし。一つのものからすべてができている。
一つのものからできているものが、形を変えていく。これまさに量子力学が言ってるのと、まったく同じことですよね。
これは、植物だろうが鉱物だろうが人間だろうが、情報空間でも、黄金にもできるし、鉛にもできるって話なんです。
しなやかさがなくなって、柔らかくなくなって、今、すべての人の中に、もううちらの行動とか認識を、無意識のうちに規定してしまっている。
心のシステムのことを「ブリーフシステム」って言い方します。
これはまあ、簡単に言うと心のブレーキだったりとか、思い込みだったりとか。
さっき言った“呪い”なんかも、これですね。
うちらの脳というのは、もう明らかにこのブリーフシステムによって、情報の重要度判断も無意識上にされてしまって、その情報を認識するのか無視するのかを決めちゃってるんですよ。無意識下で。
システムが「重要じゃない」という判断をしたものは、どんどん心理的盲点に入っていって。残念ながら見えなくなっちゃうんです。
でもうちらはこれ、全部見たいじゃないですか。
横に本当は宝物みたいな情報が転がっているのに、見逃したくないわけですよ。
そのために抽象度を上げたいって話なんですけど。
トレーニング②反転思考
じゃあ、そのトレーニング方法の2つ目。これ何かというと、反転思考です。
これは、うちらが今、信じてしまっている固定化されたシステムを見直すために、今まで信じてたものの真逆のことを信じてみるとかね。
今まで嫌いだったものを好きになってみるっていうのと同時に、今度は逆、好きだったものを嫌いになってみる。
この天邪鬼トレーニングがめっちゃ有効です。
それによって心理的盲点がかなりなくなって、思考のフレームを再構築することができたりするんで。
人って、ショックを受けると抽象度が上がると言われています。
でも、これが安心安全の「現状の輪」の中にずっといて、のらりくらりと生きていた状態ではショックを受けることなんてないじゃないですか。
全然関係ないですけど、うち、あの今年の始め、2月の初めぐらいですね。
ちょっと大工さんになってみようと思って、大工修行をしたんですよ。
この年になって、まさか年下の、それこそ20代の棟梁みたいなやつに怒鳴られると思ってなかったんですけど。
すごい嫌で、すぐ辞めちゃったんですけどね。
意味わかんないじゃないですか。違うところに飛び込んで、なんか怒られるっていう経験してみたいなと思って。
そんなわけわからないことをしてみたんですよ。
それがね「雇われではない」「オーナーでなければいけない」「投資家でなければいけない」みたいなことが、あまりにも凝り固まってしまってたから。
新たに手に職つくってどういうもんなんだろうっていうことを、みんなの気持ちを分かれた分じゃないんですけど、なんかそれを味わいたくて、そういう輪の中に入ってみた、みたいなことをやってみたりしてたんです。
まあ当たり前ですけど怒られて、すごいやな気持ちになって、ショック受けるみたいなことが起こったときに
「ああ。今こういう人たちってこんなことを考えて、こういうふうに生きてるんだなぁ」みたいな、新しい思考に、そこに入れることができたりするんですよ。
別にやらなかったっていいんですけど、そんなこと。
これ反転思考って、まあ例えばさっき言ったみたいに、私たちってみんな呪われてるんで。
でも、みんなね人を呪うことはいけないことだ、人を祝ったりとか、人を祝福したりとか、人を良い方向に導くことは「いいこと」だと思ってるかもしれないけど。
でも、実は「いい方向に導いていること」も、呪いになっていることたくさんあるんです。
ことがいいかとか言うと、ヒーラーって人を呪うこと実はいいことと思ってみたりすると、プラスになることがあるかもしれないですよ。
あ、別にその人を良くしてあげてもいいし、呪ってもいいんだって両方包摂すると、一個上に上がることができるんですよ。
わかります?プラスもマイナスも受け入れるのが、一段上の思考ですよね。
テーゼがあって、アンチテーゼがあって、その上のジテーゼに行けるっていう、まさに弁証法の考え方。
天動説が地動説に変わると、常識が反転するじゃないですか。
例えば家を所有するのが、うちはずっと「いい」と思ってたし、それこそが幸せのゴールだなっていうことを、ずっと過去、それこそ小中学校の頃から親たちに叩き込まれてたけど。
最近の若者たちに会ったら
「なんで大人たちって、わざわざあんなにお金をかけて、“固定”っていう罰ゲームを一生懸命やろうとして、家とか車とか買おうとするんですか?」
って言われるんですよ。ショックですよね。すげーショックなんですよ。
えっ、それって「いいこと」だと思ってたけど、罰ゲームだったの?って思い始めたらちょっと観念が崩れて、メタ認知ができて、抽象度が上がるんですよ。
物理空間だけが現実だ。いやいや、情報空間というものがあるんだよねっていう考え方。
「公務員こそが絶対的な安定だ」って?ほんとに?……反転思考でいろいろ考えてみる。
この時に、AIももちろん使います。
これ実はさっき言ったみたいに、“天の邪鬼トレーニング”をすることで、さっきの十住心論でいうところの「自己実現」というレベルから一個上に上がるときには、
「出来上がった自分」っていうのを全部否定して、一回、殻を破る。

この「無知・無用を悟る」っていうステップに上がるためには、今までの自分を全否定する必要があるぞと。
「自己否定」っていう、なんか変なマイナスの話じゃないですよ。
それをぜひね、やるためには――
さっきのトレーニング思考でも、AIに自分が信じている観念をまずぶち込んでみてほしいんです。
「自分はなんか起業して、自由になって、最終的にオーナーになって、投資家になって、こんな生活をするのが“いい”と思ってるんだよね」
でも、その「そうじゃないっていうこと」が正しいということを出してみて、と。AIにそれをぶち込みます。
今度は、その出てきた答えと自分が思っている答えとを両方を合体させて、LUBとして一つ上の観念で共通観念を作るとしたら、どんなことが考えられる?っていうことをAIに投げ込むんですよ。
そうすると「これ」と「これ」を合体した、新しい“第3の道”っていうのがありますよってことを出してくれたりするんで。
この反転思考を一旦自分の中に受け入れることで、自分が“昇華される”っていうことも、ぜひしてみてください。
抽象度が低い人の特徴、簡単に言ってきます。
・基本的に、頑固です。自分の考え方が固執。「凝り固まった」「もう絶対これが正しいんだ」があるんでね。
・他にも傲慢さがあったりします。自分のやってることが絶対に正しいと信じています。
・沸点が低くて、すぐにイライラしたりと感情の揺れ幅があったりします。
・話がとにかく長い。一つのことに固執しすぎだし答えとか正解をすぐに知りたがる。
・正解しやすさ」とか「腑に落ちること」がいいと信じている。「知ってる」「わかってる」「自分はできている」って思った時点でアウトです。
さらに抽象度が低い人っていうのは、自分の上にたくさんのものを置きがちです。
「神様ってすげー」「占星術ってすげー」「経営者ってすごい」みたいに、自分の上にどんどん“人”を置いちゃう。

でも逆に抽象度の高い人っていうのは、別に驕り高ぶるとか偉そうにしようとか、そういうことでは全くなくて、自分が人生の主役だとして、自分を一番上に置きます。
だから「神なんてアプリの一つでしょ」
「投資家なんてもう自分の手先だしね」
「経営者っていろいろ自分に情報をくれてるだけの人だよね」
「全然“ツールの一つ”でしかないし」
みたいな見方ができるようになるわけです。
ありえないレベルの結果を皆さんが手に入れるとしたら、あり得ない世界を受け入れる必要があります。
抽象度が低いとどうしても慎重になり、より良い選択みたいなことをやろうとするんです。
でもより良い選択って、過去の自分の蓄積でする選択なわけじゃないですか。それってあんまり意味ないんですよ。
だって、それって現状の内側の、過去の自分がやっている選択でしかないから。
だから微妙なレベルの結果しか得られないし、何なら悪くなることだってあるということを知ってみてください。
自分が信じられなかった世界、反する部分を受け入れると抽象度が上がりやすくなります。
反転思考を入れたもののAI活用法としては、ディープリサーチがおすすめなんですけど、できたら、正しい情報源とかっていうのをたくさん参照したいので。
まず依頼としては「自分がこんなことを考えてるんだ」と入力して、「私の主張に対して、反対意見とか批判を徹底的に文献分析して洗い出せ」と。
次に、両方の主張を統合して、新しい視点とか視座とか、次元から上位の概念を作ってみてっていうふうに投げます。
で、「私の主張」っていうのは、たとえばこれです。
私の主張は――人生は自由でランダムであるべきで、不確実性こそが豊かさだ。
これうちが思い込んでる信念。これがあったとしたら、「じゃあこれに対して反対意見とか批判を徹底的に分析して出してくれ」と。
で、このうちの持っていることと、新しく批判的に出てきたものに関して、これを上位の概念として、新しくくっつけて作ってください――みたいなプロンプトを入れるやり方。これがおすすめです。
はい。どうぞいきます。さあ抽象度を上げるためのトレーニング法、3つ目。
トレーニング③スケール思考とタイムトラベラー
これ「スケール思考」と「タイムトラベラー」って言い方します。
何かというと。抽象度の高さと長期視点というのはほぼイコールなんですよ。
抽象度が上がると、時間のスパンが伸びます。
短期視点と相反して長期視点。「瞬間」というのと「宇宙時間」。
で戦略家と思考停止人間の一番の違いは何かというと、この時間軸の取り方なんですよ。
人間というのは、過去、長期視点を手に入れることで進化をしてきた生き物なんですね。
ということかというと、原始の時代っていうのは、それこそ「今日は飯食えるかな。よし狩りに行こうぜ」って、でもう動物が取れるかどうかわかんない。
だけど、「ワンチャン、あそこにマモスがいるかもしれない」みたいな。そういうことをやって、なんとか狩りをして生き延びてきたわけですよ。
だから、わかりやすく言うと寿命が30年ぐらいしかなかったわけですよね。
でもこれが、「稲作」っていうものが入ってきて、植物を育てる。年単位で何かを計画する、みたいな長期思考を手に入れたことで人間は進化したんですよ。
それをやることで、1年計画でいろいろ物事を考える。
この視点というのを、長期視点にする。長く長期目線にする。言い方を変えると、歴史上からもいろんなパターンで学ぶことができたりもするわけですよね。
今回の自分のこういう人生のパターンというのは、歴史から学んだとしたらどういうところに合致する?
それを計画を、もうわずかの数ヶ月単位とか数年単位じゃなく。もう何なら自分の来来世ぐらいまで、ぜひ皆さんは計画をしてみてほしいんですけど。
今世で終わる計画ではなくて、人生計画ではなくて、来来世ぐらいまでを見越した計画をしてみてほしいんですよ。
「今世ここまでは全部やりきらないから、来世生まれ変わってこれをここまでやって。その次の生まれ変わりでここまでやろう」みたいな。そんなちょっと長期視点を持ってみてください。
はい。そして自分だけが良ければいいっていう風なことを、さらにスケール広げて。
「自分とじゃあ周りの人も良くなるにはどうしたらいいかな?」
さらに言うと、「自分と周りの人も、地域の人も良くなるにはどうしたらいいかな?」
これが「地球も含めて」ですね。
「自分と周りの人と地域と、じゃあ日本と地球、全部が良くなるにはどうしたらいいかな?」っていう風にスケールを大きくして、思考をしてみてほしいんですよ。
この考え方を、10年スパン、100年スパンで考えたら、どういうことが考えられるかな?っていうことを声に出して投げてみたりとかね。
視点を長期目線にすると、歴史から学べるし、とにかく、自分の視野が広がります。
次。トレーニング4つ目。次はランダムウォークと環境移動これです。
トレーニング④ランダムウォークと環境移動
もうとにかくおすすめなのは、ランダムウォーク。これ、危なければ危ないほどいいです。
なんでそのリスキーなランダムウォークがいいかというと、そこにこそ圧倒的な豊かさと結果があるんですよ。
これ持ってみると、面白いかもしれないです。
ランダムウォークの最大のコツっていうのは、自分の現状の輪これ「ステータスクオ」って言い方をするんですけど略して「SQ」って言います。
このステータスクオの“外側”に自分を位置づけろってことなんです。
この外に位置づけないと、元に戻っちゃうんですよ。何なら悪くなる。リバウンドが起きるんです。

だから私たちはこのSQっていうところから出て、ランダムウォークをして、今までやったことないような場所に行ってみたり。やったことないようなことをやってみたり。人に会ってみたり。
そういうことを、ウロウロしながら繰り返していくうちに、この“外側”に位置づけていたはずの理想のゴールに、いつの間にかヒュッ、ヒュッ、ヒュッ、ヒュッと、動きまくっているうちにどこかでヒットする可能性があるっていうことなんですよ。
「あんなことをしながら」「こんなことをしながら」待つ、SQから出たことで、もう元には戻らずにウロウロしていてほしいんです。
いろんなことに手を引っ張られながらでも、SQには戻らずに外側にい続ける。
たとえば、「あ、こんな人に会ってみようかな」「こんなこと、やってみようかな」そうやって少しずつ外に出ていく。
ただし、毎回数百万円かけるとか、それはもたないんで。本当に数千円とか。無料でできるとか。そういうレベルでいいんですよ。
新しいものをちょっとやってみる。試してみる。リターンも小さくていいし、何ならリターンなんかなくていい。失敗していいんです一個一個。
みんなね、何か新しいことにチャレンジするときに「全部成功しなきゃいけない」って思いすぎなんです。
でも、成功する必要なんて全然ないし、なんなら、「ここに居続けなきゃいけない」っていうことも、まったくないんです。
どんどんどんどん外側に、居続けるっていうことが重要。
だって企業だって小さなテストをやって、小さく失敗して、学んで、繰り返してるわけですよね。
で、ある時、そういう“ウロウロ”をずっとやっていったら……。
抽象度が上がったその瞬間に、ポーンと“上の状態”にリープして「あ、自分の信じてたことって、実は“逆”だったんだ」って、悟るわけですよ。
そうすると、一気に違う世界に行けたりするわけです。
「えっ、全部自分でやらない方がよかったんだ」「信じた世界、あれ間違いだったんだ」
みたいなことが分かってくると、もう面白い世界にアクセスできる。
できないから楽しいし、失敗から新しい調整ができるデザインをして、ただそれだけの動きをしていけばいいんですよ。
ゴールとは真逆に思えるような道。全然オッケーなんですよ。
むしろ、逆方向に全力疾走してるんじゃないかってくらいの道。それでもいい。
これね、映画で例えると──スピルバーグさんの映画『レディ・プレイヤー1』ってあるんですけど、あれの中でね。
ネタバレしちゃうんですけど、バーチャルリアリティの中でレースをするんですね。
みんながスタートと同時に猛スピードで前に進む中で、主人公だけが、いきなり“バックする”んです。後ろに進む、ゴールに向かわずに。
そしたら、それが“最短ルート”だったっていう……。そんな逆転の発想、ありますよね。
これ経営でも同じで、経営考えてる時も経営コンサルにお願いせずに、関係ない分野の人に話を聞いてみるとか。「自分のゴールを、他人にポンと預けてみる」ってことが有効だったりする。
でね──どうせ今まで“叶わなかった”んですよ。じゃあもう、「絶対に叶わなそうなこと」やってみてください。
で、今までいた“現状の輪”。
あの彩り豊かで素晴らしい場所だと思っていた安寧の地を、真っ黒に塗りつぶしてみてください。

「あれ……ここって、ただの安全地帯だと思ってたけど、実は何もなかった」
「真っ暗で、何もない世界だったんだ」
──って気づけると、その瞬間、“外に出始める”んですよ。
もう諦めです。「あれ?ここに可能性あると思ってたけど、この中には何もないんだ」っていうことが分かり始めると、外に出始めるしかなくなっちゃうんですよ。
で、例えばプロ野球で言ったら──イチローとかっていうのは、この“現状”を真っ黒に塗りつぶしたんですよ。
日常。毎日、もうグラム単位で測ったような同じ具材で作られたカレーを食い、同じルーティンを繰り返す。
その「日常」っていうのを真っ黒に塗りつぶしたら
──野球という“球場の中”には、ものすごい“彩り”があって。その中だけにランダム性を求めていくような“パターン化”を図って成功しているわけですね。
他にも料理人として有名なジョエル・ロブション。
ロブションは、自分の料理をよりうまくするために、「この量が測れる」みたいな調理器具を自ら作って。
どんな人でも、それが再現できるようなツールを作り上げたんだけど──
最後のほんの“わずかな違い”で、味付けを変えるっていう。そこに繊細さを込めて、うまくいったって言われていたりします。
スティーブ・ジョブズさんも、いつも同じ服を着ることで、“日常”を塗りつぶしてみたりしているわけですよ。
「はい。日常には“彩り”がない」っていうような潰し方をすると、逆に“他のところ”に何かが見えてくる──
そういうケースもあるんですね。
それって本当に「安全」だと思ってる?っていう考え方。
現状、さっきのステータス・クオっていうのは──安心とか安全が保障されてる。
もう住まいとかお金とか食事とか、人が居心地がいいし、やり方知ってるし、効率的だし、計算予測ができるし、常識だと思ってるし、その結果パターンがわかるし、リアリティがあるんですよ。っていうふうに思い込んでる。
でも、もしかしたら、これもっと上の世界の人たちが見たら──「いや、そこ。いいと思ってるけど、それ。本当は危ないけどね?」っていうような世界があるかもしれないんですよ。
ね。これ、ぜひですね。暇がある人は、このタレブさんっていう、あのデリバティブの投資家として有名な人が書いてる本。
面白い本があるんですけど、このナシーム・ニコラス・タレブっていう人が、この『反脆弱性』っていう本の中で書いている、一つの例え。これがめっちゃ面白いのがあってね。
何かというと、「感謝祭の七面鳥になるな」って言い方をしてるんですね。
これ世の中の投資家たちになぞらえて、こういう例を挙げてるんですけど。
前提として──例えば七面鳥って、まあ当たり前だけど。感謝祭に食われるために育てられるんですよね。
でも、七面鳥というのは、1000日の間、肉屋に育てられます。
この七面鳥アナリストたちは、毎日こう分析をするわけですよ。
「肉屋っていうのは、七面鳥を愛してる」
「ちゃんと餌をやり続けてる」
「きちんと丁寧に飼育されている」って。そういうことを分析するわけですね。
300日経っても、ずっと餌をもらえてるし、幸せに暮らしてるよね。600日経っても、大切にされてるよね。900日経っても、まだ大切にされてるよね。
──だけど。1000日経ったある日、感謝祭の日に首切られて食われるんですよ。
どえらいことに気づくんです。ようやく、そこで。殺されちゃうんですよ。
これが突然やってくる「ブラックスワン」なんていう例をしてるんですけど。とんでもないことが起きるって。
生まれたその日から七面鳥の人生はいい方向に向かっているように見えるし、もうそこの輪の中にいる人っていうのは、毎日同じ餌を与えられて、世話をしてもらえて、来る日も来る日も同じことが繰り返されて。
「これからもずっとそうであり続けるだろう」と強く予測しちゃうんです。
でもある時、その時になって初めて七面鳥っていうのは「自分の運命は、あ、もう潰されるためにこういうふうな状況にあったんだ」ってことに気づくんですよ。
その時にはもう手遅れで、打つ手はないんです。
これって、うちら人間にも当てはまることで、企業で働く会社員っていうのは、まさに、もしかしたらこの七面鳥じゃないですか?っていう話ですね。

なんなら、今の日本の現状は・・・。とみてみるのもいいかもしれないね。
はい。ニコラス・タレブっていう人がね。で、そういう本があります。
さあ「外側の次元にいる人しか見えない世界」っていうのがあるんですよ。
一番初めに出したアリの図、ありましたね。アリンコ。二次元に書かれてるアリンコは、三次元からいきなり踏み潰されても、何が起きたか全くわかんないんです。
でも抽象度が上の方の人たちからしてみたら「いや、それそうだよ。だって踏まれるところにいるんでしょ。あなたって」「もう食べられるところにいるんじゃん」っていうことが、ありありと見える位置にいるんですよ。
そう見える世界なんですよ。
でもこの世界には無限に広がる希望と、とんでもない何でもできる自由がたくさん存在してるっていうふうに、例えばね。
もうこのような講座をやってる人、これめっちゃ多いなって思うんですけど。
講座ビジネスの先生たちが、もう「この世界には自由が無限にあふれていて。好きなことができるし。何でもやるからできるんだから、もっともっと好きに生きなよ」っていうことを言って。
ずーっとその先生は、講座をやってるんですよ。…永遠に。
講座ビジネスっていう檻の中に閉じ込められている現実があったりとか、「無限の自由があるんちゃうんかい」と。
もうそこから出て、違うこといっぱいやってみたらいいやんっていう話じゃないですか。
でもこれを壊すには、上の次元の破壊者たちに、やっぱり壊してもらうしかないっていうことを、ぜひ、知っておいてもらえるといいんじゃないかと。


この2次元にいるアリは、3次元から急にやってきたこのわけのわかんない象が気づかない。わかんない。でもこの3次元でいる象っていうのも、急にある時グシャッと潰されて「これ、実は4次元で何かが起きたからそうなった」でもそれがわからない。
でも4次元空間にいる人っていうのは、この5次元6次元から何かがやられたときに、それがダメになっても「何が起きたの?」っていうのが全く理解ができない。
(上記の内容をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事へどうぞ♪)
だから、次元を上げたりとか抽象度を上げたいわけですよ。
トレーニング⑤外側の人間に会いに行く
はい。で、そのためのトレーニングの5つ目。これは、「外側の人間に会いに行く」です。
で、散々「抽象度を上げましょう」と、そのために「トレーニング法があります」みたいな話をしてきたんです。
けど、本当の意味での抽象度を上げるために何が必要かって言ったら、新しい出会いをするしかないですよ。
新たな出会いの中にしか、残念ながら成長も覚醒もないんです。
環境を移動し続けなきゃいけないし、ランダム性が高いところにとか、自分ととにかくかけ離れている人たちのところに行ってほしいんですよ。
人間の進化・成長っていうのは、ランダム性にあるんです。
うちらが自分たちが「イメージしたから叶う」んじゃなくて、自分がもともと思ってた何かがあった時に、こんな自分を持ちながらも、いろんな場所に環境を移動したりとか、ずれてみたりとか、景色を変えてみたりとか、イメージし続けて動き続けるからこそ「そこにあった」ってことに気づくんですよ。
そう何か「自分にスキルをつけるから手に入る」んじゃないんですよ。
自分が移動する。行動する。景色を変える。ずらす。
それをやり続けるから。実はそこにたどり着くということを、ぜひしてみてください。
情報空間を乗りこなす「抽象度の秘密とAI活用」について④に続く
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